2005年春の新のっぽ発売記念

2005/03/28(Mon)
 前回のインタビューでは、「のっぽ」と切っても切れないパッケージの「キリン」と「のっぽロゴ」をデザインした潟Tンディオスの三宅さんを直撃取材しました。今回ののっぽインタビュー第二弾では、4月1日に2種類の「のっぽ」新製品が発売されるということもあり「のっぽ」の商品開発について聞いてみようということになり、3月28日(月)、潟Gヌビーエスの本社工場を訪ねました。

 今回のインタビュアーは「のっぽのことならいくらでも聞きたいことがあるよ」という意欲旺盛な女性を中心としたタウンユース(TY)メンバー3名。対応していただいたのは同社商品企画室の長谷川さん。お忙しい中、たっぷりとお話をうかがうことができました。ついに待望の「あの曲」も飛び出し、興味深いひとときとなりました。
(聞き手)沼津タウンユース
■この春の新作のっぽについて
――――4月1日にいよいよ「抹茶クリームのっぽ」「クリームチーズ味のっぽ」が発売されましたね。なぜこの2種類にしようと思ったのですか。
長谷川  ちょうどお茶の時期に合わせようということで、昨年の11月頃から計画がありました。 クリームチーズのほうは、12月に静岡○ごとワイドでのっぽが大々的に取り上げられたのをきっかけに、茶畑るりさんが考えたのっぽを作ってみようということになりました。
――――12月放送されて4月に発売ということは、約3ヶ月で商品化ということですか。
長谷川  放送から出来るだけ早く、話題性が高いうちに出したいというのはありました。他の製品も基本的に3ヶ月くらいです。
――――開発は順調だったのですか
長谷川  思ったより難しかったです。正式には「クリームチーズクリーム味のっぽ」ですから。クリームチーズをそのまま挟むなら簡単ですが、それじゃのっぽになりませんし、コストの問題もあります。何より子供が喜ぶ味になるかどうかですね。あくまでベースはクリームなので、そこに何を混ぜるか試行錯誤しました。
――――チーズも抹茶も、好き嫌いが分かれそうな素材ですね。
長谷川  抹茶は静岡県産にこだわり、5種類くらいクリームの試作品を作りました。はじめは抹茶がきつくて青汁のっぽのようでしたが。
――――抹茶をはじめ、和風のデザートを扱う店が増えてきたと思います。そういう意味ではおもしろそうですね。
長谷川  商談の段階でウケがいいのは抹茶のほうでした。御当地モノというところも受け入れられています。最近の緑茶ブームもありますし。
――――今回の2種類を加えると、のっぽは全部何種類になるのでしょう。
長谷川  4月1日現在で7種類(ノーマル・チョコ・牛乳・つぶピー・イチゴ・クリームチーズ・抹茶)です。
■のっぽCMソングについて
――――気が付くと新製品が出ているという感じののっぽですが、宣伝はしないのですか。
長谷川  今はしていませんが、2、3年前まで静岡第一テレビさんとSBSさんでニュース番組の提供をしていました。第一テレビさんでは、毎週1回ニュース番組を提供しており、番組の前後にCMが流れていました。毎回同じものではなく定期的に変えていて、そのうちの1本で使われていたのがこちらです。

>>のっぽの歌(.mp3 298kb)<<
♪どこまでもー はてしなーくー♪(以下略)
――――おおー!(思わず歓声)
――――うーん、でも、のっぽの歌の割に歌詞に「のっぽ」が2回しか出てこなかったような気が・・・
長谷川  CMといっても商品そのものをPRする為のものではなく、企業イメージや理念を定着させる曲を考えていたのです。のっぽの歌というよりエヌビーエスの歌といったところでしょうか。社歌というと仰々しいので、イメージとしては、某企業の「この木なんの木、きになる木♪」のようなものですね。
――――どんなCMだったのですか。
長谷川  営業・製造・総務・経理等の社員約20名が出演しました。たとえ実際にOAされなくても、CM制作に携わったということで連帯感や愛着が生まれるのではないかとの考えからです。決してモデル代を浮かせたかったわけではありませんよ。
■のっぽ製造について
――――全種類を一日で作っているのですか。
長谷川  パンは作り置きができないので、納品のタイミングに合わせて毎日作っています。
――――のっぽは受注生産なんですね。ということは、どの店でも自分の好きなのっぽがいるとは限らないのですね・・・
長谷川  商談で各店の取り扱い品目と本数を決めています。POSシステムの普及で店側ものっぽの中でどれが売れているのかよく知っていますね。最近ではコンビニへの納品も増え、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートに加え、4月からはミニストップでも取り扱います。
――――いろいろなのっぽが開発される中、ノーマルのっぽは28年間ずっと変わりませんね。
長谷川  配合を変えていないという意味では、発売当初から今日まで変わっていません。ただし、昔は手作業だった工程が機械化されたという点では変わった部分もあります。
――――天気や気温によって配合や工程を変えたりしないのですか。
長谷川  マニュアルはありますが、生地のこね具合等、最終的に人間の目でチェックするところもあります。スタートの生地がしっかりしていないと、その後の工程では修正がききませんから。
――――そういえば、あのノーマルのっぽのクリームは何味と呼べばよいのでしょう。カスタードでもないし、マーガリンでもないですね。
長谷川  いろいろ考えたのですが「甘いマーガリン味」と言うのが一番近い表現ではないかと思っています。
■商品開発について
――――次は何が出るかいつも楽しみにしているのですが、季節限定のっぽが多いですね。イチゴやメロン、信州リンゴ、夏みかん、マロン、白桃、ぶどう・・・。
長谷川  果物ですから季節感を出すために限定にしているものと、売り上げがのっぽとしては伸びずに、結果として限定になったものとがあります。他の製品なら十分ヒット商品と言われるものでも、のっぽの中ではハードルが高く、生産中止になるものもあります。
――――のっぽの中で一番売れているのはやはりノーマルですか。
長谷川  1番がノーマル、2番が牛乳、3番がつぶピーの順番です。
――――イチゴやメロンのように毎年復活するのっぽとしないものがありますね。現在のラインナップを見ると、残っているのは過去に発売されたものの何代目かですね。
長谷川  すでにこれだけの果物が出ていますし、イチゴのように一般受けする果物はなかなかないですね。アイディアが欲しいですよ。アイディアがあればタウンユースさんとのコラボレーションも夢じゃないかもしれませんよ。
――――コラボレーションといえば、過去のヒットのっぽの中にK―MIXとのコラボレーションで、夏みかんのっぽがありましたね。
長谷川  あれはパンの生地からの開発でしたから時間がかかりました。現状のののっぽの新商品は2種類の生地のうちどちらかをチョイスしていますが、夏みかんのっぽの時は、先ず何味にするかを局内やリスナーから募集して、夏みかん味に決まった後に、夏みかんに合う生地を作ろうということになって、フルーツにはヨーグルトが合うだろうということで生地に使いました。
――――今後の商品企画ですが、2ヶ月に1本新しいのっぽを発売する計画があるそうですね。
長谷川  6月にはあずきとメロンを考えています。
――――あずき!?和風が続きますね。もしや名古屋の小倉ソフトのような・・・。
長谷川  イメージは生どら(あんこを生クリームで練ったもの)です。どうなるかは試作次第ですが。
■鮮度へのこだわり
――――先日、店に行って気が付いたのですが、のっぽの消費期限の表示が変わりましたね。いつから今の表示方法になったのですか。
長谷川  3月1日からです。ノーマルのっぽについては、期限の時間表示まであります。商品の期限を決めるにあたって、実食(毎日のっぽを食べ続け、おいしく食べられる期間を人間の感覚で判断する)と科学的分析(菌の繁殖状況を調べる)の2つの方法があります。今回は実食の結果を最優先で見直した結果、のっぽをよりおいしく食べていただくには、72時間だということになりました。
――――3日間ですね。以前に比べ短くなったのではないですか。
長谷川  本当はもっと短くしたかったのですが、販売する店の都合もあり72時間になりました。今回、取り組んだのは、消費期限を短くしたことと、製造からお客様の手に届くまでの時間を短くしたということです。出来たてをすぐに食べて欲しいというのが狙いです。
――――売り場のPOPでも、のっぽは鮮度が命ですとうたっていますね。
長谷川  販売時間が短くなるため、デメリットもありますが、とにかくおいしいのっぽを食べていただきたいです。
――――期限を過ぎたものはどうなるのですか。
長谷川  昔は本の再販制度のように、残ったものは返品されていましたが、現在は仕入れの段階で店がすべて買い取ります。店としては廃棄ロスを減らすため、売れ筋の商品しか仕入れないわけです。
――――焼きたてのおいしさにこだわるとなると、やはり沼津近隣でしかのっぽは味わえないということでしょうか。
長谷川  現在、県外では愛知県の知多半島と山梨県、千葉県の一部で販売されていますが、沼津の知名度が低い地域では難しいところもあります。以前は、東京や神奈川に進出することを考えていた時期もありましたが、今では路線を変えておいしいのっぽを食べていただくことにこだわっています。のっぽというブランドにあぐらをかかず、おいしいからこそ継続して買ってもらえる商品であって欲しいと思います。
――――沼津名物として地元に根付いて欲しいと思う一方、沼津発のブランドとして対外的に発信して欲しい願いもあります。通信通販の実現が待たれるのですが。
長谷川  課題は、いかに鮮度の高い商品をお届できるかと言う点ですが、エリアを限定するなどいずれ実現できればと考えています。好きなのっぽを組み合わせて箱に詰めれば、全種類手に入りますしね。
――――今、東京でのっぽがちょっとした噂になっているらしいですよ。次に流行るのはのっぽだという・・・。3月初旬にExcite Bitにコラムが出て以来、その反響が広がっているらしいです。
長谷川  口コミが何よりの宣伝になると言いますが、その現象はすごいですね。
――――せっかくこんなにのっぽが流行っているのなら、是非グッズを作って欲しいです。
長谷川  携帯ストラップを考えたことはあったのですが、実際に作るとなると人件費の安い国外での製造となり、ロット数も膨大になるため実現には至りませんでした。
――――タウンユースでのっぽシールを作りたいと考えているのですが。こんなかんじで・・・車の後ろに貼って走っていたら目立ちますよ。のっぽは商標登録されていないのですか。
長谷川  申請したことはあるのですが、「のっぽ」という言葉はあまりに一般的であるために却下されました。いろいろな基準があり難しいようです。
――――私達にとっては、「のっぽ」といえばこのきりんしか浮かばないですけどね。きりんの表情がそれぞれ違っていて、新製品が出るたびに観察しています。
長谷川  初期の頃は(有)サンディオスの三宅さんがデザインしていましたが、最近は若手スタッフに移行しているそうです。微妙にタッチが変わってきていますね。
――――これだけ長い期間、食べ続けられているからこそ、変わること、変わらないことがあるわけですね。
長谷川  30年・・・三十路のっぽ。パン業界でもこんなに長く続く製品は稀です。
――――のっぽを食べて育った世代が大きくなって、のっぽの企画を考えられるというのは嬉しいことです。これからもタウンユースで様々な企画を考えていきたいと思いますのでよろしくお願いします。今日は本当にありがとうございました。
長谷川  こちらこそ、ありがとうございました。